You have only to do your best.(ベストを尽くすのみ)

こんばんは、井手です。
~ 本日の標準英文法 ~
All you have to do is ( do  / doing ) your best.  選択問題です。よくある解答は、”doing”。「根拠は?」と聞くと、「なんとなく」。(-_-;) しかしそれなりに説明付きで答える人も。「え~と、訳が多分、『あなたがしなければならないのは、最善を尽くすことだ』みたいになるから、[尽くすこと]つまり動名詞で “doing your best” ってなるから。それに “is” ですぐ “do” って変かな~」。なるほど。しか~し、この説明は2つの点でミスがあります。
まず1つは、訳が間違っている。訳す前に文型をとってみると、All = 主語 、is = 動詞 、( do  / doing )以下 = 補語 の S V C です。意味は「すべては最善を尽くすことです」になります。「すべて」にはさらに説明が加えられてますね。それが関係代名詞の that が省略されていて → All (that) you have to do となります。ところで have to = must だと思って ” have to do (ハフトゥドゥ)”  といきたいところですが、こんなのを見たことがあるんじゃないですか。「私には今日すべきことがたくさんある」→ I have a lot of things to do today. そうです、実はこれ You have all to do. の形で all が先行詞として出て行った語順になるので、” have ” と ” to ” の間には一瞬間が空く感覚は持っておきましょうね。ということで全体の訳は、「あなたがすべき持っていること全ては、最善を尽くすことです」。『全て』とは『それだけ』の言い換えですね。たとえば、「これが全部だ」は「これしかない」とも取れます。この文で伝えたい訳は「あなたはベストを尽くしさえすればいい」、「最善を尽くしさえすれば他はいい」などとなります。
2つ目の点は、[尽くすこと]は動名詞で “doing your best” の箇所です。もちろん不定詞の名詞的用法と言って “to do your best” でも「最善を尽くすこと」になりえます。どっちも OK みたいなことはまず問題にされないので、大事なことは ” Ving ” と ” to V ” のイメージです。これが答えを違えるポイント。「 Ving → している最中・すでにしたこと」で「 to V → これからする・しようとすること」ですね。to V のイメージは絶対的なところなので常に意識しましょう。よって、「あなたがすべき持っていること全ては、最善を尽くすことです」の「最善を尽くす」は当然、これから起こること(今すでに最善を尽くしているのであれば、こんな表現とはミスマッチですね)なので、” doing your best ” よりも ” to do your best ” がいいに決まってます。選択問題の解答は、All you have to do is (to) do your best. になります。”to” が消えてますがこのように考えてみてください。「all you have to do 」で一番知りたいことはずばり “do” の中身。言い換えれば、「do に対する行為」さえ伝わればいいので「do your best」だけで “to” を付けなくても十分でしょう。
このように根本的な理解というのは、いざ入試レベルでも応用が利くことは言うまでもありませんね。実際に、「私にはせいぜいアドバイスを送ることしかできなかった」を The best I could do was give him some advice. とする類の文法問題や英訳問題が出題されてますよ。